PAINTINGS

 
 

年に一回のバカンスでは、山も海もどちらも捨てがたく、迷った時期があった。山は、歴史的民家や崇高な気持ちになれる高山の風景が好きだった。その一方で海は、義理の妹夫妻が住むトスカーナの小さな島の素朴な景色を愛していた。

バカンスの間は、描くことと料理という、その2大創作の日々であり、言葉の飛び交う戦場からの逃避行としては最高だった。現場スケッチほど幸せな気持ちになれるひとときはないと思う。